
頭部外傷とは
頭部外傷とは、交通事故による衝撃を受け、頭部の軟部組織(皮膚、皮下組織)、頭蓋骨、頭蓋内(脳、髄膜など)に 損傷が起こることです。
頭部外傷は、軽いたんこぶで済むものから頭蓋内において命に係わる大出血を来すものまで、加わった衝撃の程度により病態や予後が大きく変わります。
交通事故による頭部外傷には、主にびまん性軸索損傷、高次脳機能障害、遷延性意識障害などがあり、びまん性軸索損傷、高次脳機能障害、遷延性意識障害の順に病状は重くなっていきます。
びまん性軸索損傷
びまん性軸索損傷とは、頭部外傷後、意識障害があるにもかかわらず、頭部CT、MRIで明らかな血腫、脳挫傷が認められない病態です。
交通事故などの強い衝撃で脳に回転力が生じた場合、脳深部は脳表部よりも遅れて回転し脳がねじれます。
その結果、軸索と呼ばれる神経細胞体が強く引っ張られ、広範囲に断裂してしまい機能を失ってしまいます。
びまん性軸索損傷は、回復しても後遺症として、意識障害、高次機能障害および麻痺などが残ります。
高次脳機能障害
交通事故による脳外傷、心肺停止による低酸素脳症などで脳を損傷し、「怒りっぽくなった」「物覚えが悪くなった」「何かにこだわり過ぎるようになった」など、いままでに見られなかった症状が表れる病態です。
高次脳機能障害の主な症状
注意障害:注意力や集中力が低下したりします。
- 作業にミスが多くなる
- 疲れやすく長時間作業ができなくなる
- 気が散りやすいなど、ひとつのことに集中することが難しくなる
記憶障害:新しいことが覚えられなくなったり、以前のことを思い出せなくなったりします。
- 約束を守れないまたはすぐ忘れてしまう
- 物を置いた場所を忘れてしまう
- 何度も同じ話や質問をする
- 事実とは異なる話をしてしまう
遂行機能の障害:日常生活や仕事の内容を、整理・計画・処理するという一連の作業が難しくなります。
- 行き当たりばったりの行動をする
- 一つ一つ指示されないと行動に移せない
- 優先順位が決められない
- なにかをするときに、どこから手をつけていいいのか分からなくなる
社会的行動障害:感情や行動を自分で調節することが難しくなります。
- 急に怒りだしたり、泣き出したりする
- 場違いな場面で、笑い出したりする
- 気持ちが落ち込んで、ひきこもってしまう
- 思い通りにならないと興奮して、暴力をふるったりする
これらの症状は、交通事故の直後ではなく退院して何年も経過した後に現れることもあり、家族や友人もしくは同僚など、周囲が気づくケースも多いです。
遷延性意識障害
遷延性意識障害とは,交通事故により受けた外傷によって種々の治療にもかかわらず、3か月以上に渡り以下の項目を満たす状態にあることです。
- 自力で移動できない
- 自力で食べることができない
- 大小便を失禁している
- 目はものを追うが認識はできない
- 簡単な命令には応ずることもあるがそれ以上の意思の疎通ができない
- 声は出すが意味のある発語はできない
遷延性意識障害は、交通事故の後遺症の中でもきわめて重篤な後遺障害のひとつであり、被害者の方だけではなく介護するご家族にも多大な苦痛や負担が伴うことになります。
頭部外傷に関する治療上の注意点
びまん性軸索損傷について、効果的な治療法は発見されていません。
呼吸・循環機能の安定化、高体温の防止、頭蓋内圧のコントロールなど、全身管理によって二次的脳損傷を防ぎ脳の回復を期待するよりほかありません。
高次脳機能障害や遷延性意識障害の場合、治療初期より介護状態の記録を大切に保管する必要があります。
病院へお見舞いに行った日付、病院での被害者の様子および医師の発言内容もできるだけメモに残してください。
消毒液やおむつなど被害者の介護に必要なものを購入したときは、必ず領収書を保管してください。
自宅介護、病院介護のいずれかについては、医師の指示に従ってください。
高次脳機能障害は、早期に適切な検査を受けリハビリを開始すれば回復が早いといわれています。
入院先の病院が、高次脳機能障害を専門に扱っていない場合、専門的な治療やリハビリを期待できないため、高次脳機能障害のリハビリを専門におこなっている病院に転院しなければなりません。
入院先の病院によっては、知能検査(神経心理学的検査)をあまり積極的におこなわないところもあります。
後遺障害認定には、この知能検査の結果が重要視されます。
病院が知能検査を積極的におこなわないのであれば、別の病院で早期に検査を受けてください。
高次脳機能障害は、事故時の意識消失についても重要視されます。
意識消失があったことを証する資料について、担当医が忘れてしまうことや医師が転勤してしまうことがあるため、早期に作成する必要があります。
交通事故に詳しい専門家とは?
交通事故に関する業務を専門的に取り扱っていない場合、交通事故が惹き起こす頭部外傷(遷延性意識障害・高次脳機能障害)などについて、あまり詳しくないのは仕方のないことかもしれません。
交通事故を取り扱う専門家と謳う者であっても、頭部への外傷に関するの傷病に精通しているとは限りません。
交通事故に詳しい専門家とは、交通事故による治療当初から画像や各種検査の結果、医師の診断などの多角的所見をもとに、適切な後遺障害の等級認定を見据えた治療や検査内容の実施について、被害者やそのご家族に加え治療に携わる医師に対し提案できる者のことです。
後遺障害の等級が認定されなかった場合、敏腕弁護士であってもその後の慰謝料や交通事故被害による逸失利益などを定める示談交渉や裁判手続きにおいて、納得できる結果を導き出すことはとても難しいです。
神戸の交通事故被害者応援団では、被害者の利益確保を第一の目標とし、その後の示談交渉や裁判手続きにおいて納得いく結果を導く後遺障害等級の認定に向け、全力で被害者およびそのご家族をサポートいたします。
後遺障害の等級認定申請の代行が完了した後の手続きについては、神戸の交通事故被害者応援団の業務に対する考え方に賛同してくださる交通事故専門弁護士へ被害者のサポートをお願いしています。
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